地獄の出口を求めて

おじさんの地獄生活の記録。某国立大で博士号を目指して研究に従事。しかしギャンブルにハマり多重債務者になり借金を背負っての地獄の日々。地獄からの脱出のために日々思ったことやったことをここに綴りたい。

心が軽視される時代


 今週は具合が悪くて何も手につかなかった。体調というよりは心労と言った方が正確だろうか。とにかくいろいろと疲れた。パチンコをやめようとしているにも関わらず毎日のように気が付いたら自分の足がパチンコ屋に向かっている自分が嫌だ。そして負けた時の行かなければよかったという後悔。また、パチンコに行く、行かないは自分の意志ではコントロールできないのかもと思うと絶望が一気に肩にのしかかってくる。やはり依存症というものは一個人の意志でどうにかなるものではないのであろうか。とにかく今日で金は尽きた。明日は打ちたくても打てない。これをチャンスだと思って明日一日はしっかりと体から毒を抜いておこう。そして明日をきっかけにパチンコの衝動に抗える力が湧いてくることを祈ろう。


 鬱の症状も今週は重く出た。金曜はラボの論文紹介の集まりの当番だったけど何をしても気力が湧いてこず、ラボのみんなに頭を下げて休ませてもらった。社会人になれたらいいなと思っている人間にとっては致命的だ。会社にとって重要なプレゼンを気力が湧かないから中止にさせてくれと言っているようなものだ。このままでは会社に就職できたとしても務まるわけがない。気力がないときに気力を出す方法があれば一番良いのだけれど、そんなものはあるはずもなく気力が底を尽きてしまったときは休む以外なにもできないというのがうつ病だ。自分の場合は気力がなくなり休んでしまうとそれがまた罪悪感になりさらに頭の中のネガティブ思考が増幅される。自分はダメな人間だとか、自分はもう生きていけない、そのうち自らの手で人生を終わらせざるを得なくなるという考えだ。


 子供の頃に描いた将来はこんなものではなかった。正直子供の頃に何かなりたい職業があったかというとなかった。毎日学校に行って友達とくだらない話で笑ったり、今振り返って考えてみればそんなことをして何が面白いのかと思ってしまうようなことばかりして毎日を楽しく過ごしていた。その日暮らし。でもあの頃はそれでよかった。毎日友達とバカばっかりしていても何も勉強にならないと思うかもしれないけど、あの頃の経験が今の自分の礎になっている。友を思いやる気持ちや他人の気持ちを察する能力。難しい言葉で言えばエンパシー。最近亡くなってしまった世界で一番頭が良いと言われていた宇宙物理学者のスティーブンホーキング博士は人間にとって一番大事なものはエンパシーだと言っていたと聞いたこともある。そのくらいの能力なら誰でも持っていると思う人もいると思うけど、以外とこの能力を持ち合わせていない人が多いというのは今まで自分が出会ってきた人間を見れば明らかである。だから自分が他人と共感しその人の考え、心で感じていることを理解できることを誇りに思っている。数少ない誇りに思える自分の一部だ。この能力を何かに生かせればいいのにと思うこともあるけど何も思いつかない。今の世の中は知能指数、つまりIQを重視して心の知能指数であるEQに至ってはEQなんて聞いたことがないという人間で溢れかえっている。それだけ人の心は軽視されているのかも。人は自滅する生き物だと言われるけどあながち嘘ではないかも。